ドラマ「全領域異常解決室」に登場する直毘吉道(演:柿澤勇人)というキャラクターは、その役どころや名前から、ただの官僚にとどまらない、非常に深い背景を感じさせます。
興玉(藤原竜也)が第6話で「直毘は神ではない」と断言していますが、逆にその言葉こそが彼が神である可能性を示唆しているようにも見えます。
今回は、直毘吉道が実は「神」であるかもしれないという視点から、彼の名前や役割、物語の中での行動を考察し、神としての存在を探っていきます。
直毘吉道の名前から読み解く「神」像
まず注目すべきは、「直毘吉道」という名前です。
━━━「全決」に捜査を依頼する官僚
内閣官房国家安全担当審議官━━━🟨⬛️直毘吉道:#柿澤勇人 ⬛️🟨
10月9日よる10時スタート#藤原竜也 × #広瀬アリス
🟨 #全領域異常解決室 🟨
⬛️ #ゼンケツ ⬛️ pic.twitter.com/09nL4ib2JM— 『全領域異常解決室』フジテレビ水10ドラマ【公式】 (@zenketsu_fujitv) September 13, 2024
この名前には、日本神話に登場する神々
「直毘神(なおびのかみ)」、
「大直毘神(おおなおびのかみ)」
の影響が色濃く感じられます。
直毘神は、伊耶那岐(いざなぎ)が黄泉の国から帰還した際に禊(みそぎ)を行った結果生まれた神です。
主に災厄を祓い、禍を直す役割を担っています。
名前に「直」とある点が、まさに「禍を直す」「問題を解決する」神の存在と重なります。
直毘神の役割は、災厄をもたらす「禍津日神(まがつひのかみ)」などの神々に対抗し、穢れを祓うことです。
この神々が人間社会に現れる災厄や問題を浄化する存在として描かれているのは、
まさに「全領域異常解決室」の直毘吉道の立場と一致しています。
直毘吉道が「全決」の一員として、異常事態の解決に関与している姿は、まさに「禍を祓う者」としての象徴的な役割とも解釈できます。
さらに、「大直毘神(おおなおびのかみ)」は、直毘神の別名であり、
特に「裁き」の神としても知られています。
裁判を行う神としての側面を持つこの神は、非常に厳格で冷徹な裁定を下す存在であり、
その存在感は国家や社会における強力な指導者を思わせます。
直毘吉道が内閣官房の高官であり、異常事件に関する「裁きを下す」立場にいることからも、
彼が「神」としての権限を持つ人物であることがうかがえます。
直毘吉道と「全決」の関係
直毘吉道は、物語の中で「全領域異常解決室(通称全決)」の宇喜之に解決を依頼する役割を持っています。
彼が事件解決に関与する姿勢は、単なる官僚としての冷徹さ以上のものがあります。
彼が「全決」に関わることで、解決されるべき事件は、異常で神秘的な性質を持つものばかりです。
この点で、直毘吉道がただの官僚ではなく、神的な力を持つ存在だという疑念を抱かせます。
特に、第8話では、「過食窒息事件」に絡む人魚のミイラが盗まれ、警察内部での関与が疑われます。
この事件を追う荒波が直毘吉道から情報を得ようとする場面で、直毘吉道が知っていること、あるいは隠していることが非常に多いことが示唆されます。
まさに裁きを下すべき立場にある神のような存在であり、その冷徹な態度や謎めいた行動が、神の「力」を強調する要素として作用しています。
雨野と直毘吉道の違い
ただ、興玉は「直毘は神ではない」と断言しています。
🟨「彼は人間です」🟨
神々の存在を知る
ごく僅かな人間のひとり、直毘いつも神相手に緊張気味の直毘の
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— 『全領域異常解決室』フジテレビ水10ドラマ【公式】 (@zenketsu_fujitv) November 14, 2024
しかし、雨野小夢(広瀬アリス)の過去が重要な伏線となります。
雨野は、元々神でありながら、ヒルコによってその神の能力を奪われているという背景を持っています。
ここから考えると、直毘吉道もかつて神であり、何らかの理由でその力を失った可能性もあります。
もし直毘吉道が元々神であったとするなら、
彼の今の行動や冷徹な態度は、神の力を失いながらも人間社会で力を振るっているか、
またはその能力を取り戻すために「全決」に関わっているのかもしれません。
直毘吉道が「神」だとするなら
直毘吉道が神であると考えると、彼の立ち位置や行動に多くの神話的な意味が重なります。
例えば、彼が関わる異常事件が解決されるたびに、禍を直す「神」の力が発揮されていると言えます。
また、「全決」が対処する問題がすべて「神々の力が関わるような超常的な現象」である点も、この考察を強化します。
さらに、直毘吉道の役職である「内閣官房国家安全担当審議官」は、
国家の安全と秩序を守るために働く重要なポジションであり、これは神が秩序を守る役割を果たすことと重なります。
彼が異常事件を解決するために「全決」に依頼をするのは、神々が人間の問題を解決するために使者を送り出すようなものだとも言えるでしょう。
結論
直毘吉道が神であるかどうかは、興玉の言葉や物語の展開からは断定できません。
彼のミステリアスな雰囲気は、彼こそが「ヒルコ」と思わせるほどです。
しかし、名前や役職、行動から推測するに、彼はかつて神であった可能性が高いと考えられます。
神の力を持っていたが、それを失った、あるいは封印された存在として登場する直毘吉道は、物語を進める中で神話的な解釈が鍵を握る重要な役割を果たすのではないでしょうか。
次回以降の展開で、彼の「神であった過去」やその力を取り戻すための戦いが描かれることを期待せずにはいられません。