ドラマ『あなたを奪ったその日から』の中でも気になってしかたがないのが、結城旭(大森南朋)という男の“家族”への向き合い方。
一見、とっても穏やかで、優しいパパ風。
でも元妻の江身子さん(鶴田真由)や、娘の梨々子ちゃん(平祐奈)からは、「あの人が一番狂ってる」とまで言われてしまっているのです…。
この記事では、「旭の家族観、何かおかしいよね?」と思ったポイントを掘り下げてみたいと思います。
Contents
優しさが怖い?旭の“正義感”が支配に見えてしまう理由
旭って、見た目も言動もすごく穏やかですよね。
でもその「正しすぎる感じ」が逆に怖いなって、私はずっと引っかかってました。
たとえばあの記者会見でのひとことも、一見すごく真面目で立派な言葉なんですけど、
なんだか「だからお前たち(親)が悪い」って、見えない責任を押しつけてるようにも聞こえませんでしたか?
この“正しさ”って、自分の価値観で家族を囲い込むような感じがして、
江身子さんや梨々子ちゃんが「狂ってる」と感じたのも分かる気がします。
江身子と旭の関係|“完璧な夫”の裏で失われた自由
旭の元妻・江身子さんは、今はスナックで働いています。
でもその姿に、娘の梨々子ちゃんは怒りを抱いていて…。
一見すると「家族を捨てた母親」に見えてしまうかもしれません。
でも私は、江身子さんは“逃げた”んじゃなくて、“解放された”のかもしれないって思いました。
旭って、優しいけど“正論”で人をコントロールするタイプなのかもしれません。
一緒にいると、自分を責め続けてしまいそうな気がします。
梨々子ちゃんが“問題児”っぽく見えるのも、実は旭の過剰な期待に応えきれず、心が壊れかけているだけなのかもしれません。
家族を大切にしているのに、なぜこんなに歪んでる?
旭は、ほんとうに家族を大事にしてると思うんです。
でもその大切にする方法が、「自分の思い通りにする」方向にいっちゃってるのが問題なのかなと。
たとえば、
- 家族に“期待”する
- “きちんとしていない”と許せない
- 問題が起きたとき、「全部自分で何とかしよう」として黙ってしまう
これ、夫婦や親子でよくあることですよね…。
でも、それが積み重なると、言葉にしない分だけ怖い支配になっているように感じます。
食への異常なこだわりに、過去のトラウマを感じた
旭が、食やアレルギー問題にすごく敏感なのも、どこか不自然なくらいで。
「どうしてここまで?」と思ったときに浮かんだのが、子ども時代のトラウマです。
もしかしたら旭は、ちゃんとご飯を食べさせてもらえなかった過去があるとか、
ヤングケアラーとして“家族を支えなきゃいけなかった”ような環境だったのかもしれません。
そう思うと、あの「親の責任」発言も、自分自身に言い聞かせてるように見えてきて、ちょっと切なくなりました…。
視聴者の声
X(旧Twitter)でも、こんな声がたくさん出ていました:
- 「旭が一番まともそうで一番怖い。何考えてるかわからない…」
- 「江身子が逃げた理由、すっごく分かる気がする」
- 「優しさの押し売りって、ほんとにしんどいんだよね」
- 「家族を大切にする人ほど、家族を追い詰めちゃうことってあると思う」
まとめ|“いい父親”に見えるけど、本当は…
結城旭は、立場もあって、言うことも正しくて、外から見たら「理想の大人」なのかもしれません。
でもその“正しさ”が、周囲の心をゆっくり追い詰めていく姿は、見ていてゾッとしました。
- 家族を守るつもりで、家族を傷つけてしまう
- 優しさの形が、誰かの「逃げ場」を奪ってしまう
- 「正義」が、「狂気」と紙一重になることがある
このドラマが描いているのは、まさにそんな家庭という名の密室のサスペンスなのかもしれません。
旭の“正しさ”は、本当に正しいのか?
次回、彼の過去や家族への執着が明かされることで、物語はきっと大きく動き出すはずです。
主婦として、母として、観るたびに心がざわつくこのドラマ。
最終回まで、じっくり追いかけていきたいと思います。

