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無能の鷹【第5話ネタバレ感想】老害と呼ばれる上司の哀愁

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ITコンサルティング会社を舞台に繰り広げられる人間ドラマ『無能の鷹』第5話。

今回は、デジタル時代についていけない部長と、その部下たちとの確執が描かれました。

笑いあり涙ありの展開で、現代社会が抱える世代間ギャップの問題を鋭く描き出しています。

「無能の鷹」第5話ネタバレ

ITコンサルティング会社『TALON』の営業部では、

鳩山(井浦 新)がITに弱い朱雀部長(高橋 克実)のフリーズしたパソコンの復旧に奮闘していました。

パソコンすら使えない部長の悲哀

ほどなくしてパソコンは直りましたが、朱雀部長から「ありがとう」という感謝の言葉はありませんでした。

そんな朱雀部長を見ていて呆れた鶸田(塩野 瑛久)、鵜飼(さとう ほなみ)、雉谷(工藤 阿須加)らはグループチャットへ愚痴を打ち込み始めました。

社内チャットで話せるような内容でも、朱雀部長はわざわざ集まって会議をしたがります。

この日もSNSを使った宣伝活動を鷹野(菜々緒)と鶸田に任せると勝手に決めてしまいました。

仕事が終わり、今宵も行きつけの居酒屋で鶸田、鵜飼、雉谷らはお酒を飲みながら朱雀部長への不満をぶつけ合います。

ところが鳩山から朱雀部長のバリバリの現役時代の話を聞かされ、人は歳とともに誰だって老害になる可能性はあると諭されるのでした。

一方、朱雀部長は家庭でも妻(中島 ひろ子)や娘、息子からは相手にされない毎日を送っていました。

ある日、朱雀部長は、鵜飼らが自分のことを“完全なる老害”と話しているのを聞いてしまいます。

気分を害した朱雀部長は早退をしますが、家に帰っても自分の居場所が無いのはわかっています。

そんな朱雀部長に妻は定年後は一緒に暮らしたくないと離婚届を突き付けるのでした。

祝日にうっかり出社してしまった朱雀部長でしたが、パソコンがまたフリーズしてしまいます。

同じように間違えて出勤してきた鷹野に、

開発部・鵙尾(土居 志央梨)の連絡先と思われる『MOZU』と書かれた電話番号に電話して、

パソコンの復旧の仕方を聞くようにと指示します。

電話をかけてみると、そこには鳩山、鴫石部長がたまたま訪れていて、店名が『MOZU』という純喫茶でした。

恋愛相談が得意なママ(渡辺 えり)が電話に出て、鷹野との噛み合わないはずの会話がなぜか成立します。

鴫石部長は、かつて朱雀部長の部下だった頃に交わした約束《部下に理解の無い上司なってしまった時は忠告する》を果たすべく朱雀部長に進言します。

朱雀部長は肩書と地位に固執してしまい、人として最低限のマナーを守ることもできなくなっていました。

鴫石部長の勇気ある進言のおかげで、鶸田の失敗を許し、休日にデータ分析をしてくれたことへの労いの言葉をかけることができました。

感想

基本的にコメディですが哀愁も感じられる、それが『無能の鷹』なんですね。

今回も笑わせてもらいましたが身にもつまされました。

IT業界といえば今一番脚光を浴びている業界ですから、鷹野はどうかはわかりませんが、鶸田、鵜飼、雉谷らにとっては上手に渡っていける職なのでしょう。

おそらく、高校生くらいからコンピュータに馴染んできた世代ですよね。

ところが定年間際の朱雀部長は仕事の理解も追いつかなくなってきて、沈まないように何かに必死にしがみついている感じだと思われます。

それを悟られないように威厳を保ったふりをして、と。私が今まで出会った上司にもどこか似ているようで親近感が湧きました。

まとめ

第5話は、デジタル社会における世代間ギャップという重いテーマを、コメディタッチで巧みに描き切った回でした。

変化を求められる時代に戸惑う中高年と、新しい価値観を持つ若手との軋轢。

でも、お互いを理解しようとする姿勢があれば、必ず道は開けるはず。

そんなメッセージが込められた、印象深いエピソードとなりました。