ドラマ「全領域異常解決室」の第7話は、ヒルコの正体や彼の目的がさらに深まる重要なエピソードとなりました。
今回は、「修理固成」という神話的な概念と、それが雨野にどのように絡むのか、そしてヒルコの壮大な野望とは何なのかを徹底的に考察していきます。
彼の目的は単なる復讐ではなく、もっと大きな計画に基づいています。
それは神々の秩序を再構築し、新たな「神の総入れ替え」を目指す、壮大で危険な計画です。
Contents
修理固成とは？
『古事記』における「修理固成（しゅうりこせい）」は、
「伊邪那岐命」と「伊邪那美命」が、天の浮橋から天沼矛を使い、
海をかき混ぜて「国土」を形作ります。
この行為は、新たな世界の創造を象徴しており、神話の中でも重要な創造のプロセスです。
この背景を考えると、寿正の「修理固成」という言葉は、単なる比喩ではなく、
神話的な行動を実行に移す意図を示していると考えられます。
寿正が雨野を利用しようとしているのも、彼女が天宇受売命（あめのうずめのみこと）としての力を秘めているからではないでしょうか。
天宇受売命は『古事記』において、天岩戸の前で踊りを披露し、天照大神を岩戸から誘い出すという重要な役割を果たしました。
その力は、秩序を取り戻し、世界を新たな光で照らすものとされています。
寿正はこの「天宇受売命」の力を、自らの計画である「修理固成」に組み込もうとしている可能性があります。
ヒルコと修理固成の関係
ヒルコは、物語を通じて神話の世界と深い関わりを持つ人物として描かれています。
彼が「修理固成」を行うことは、ただ単に秩序を回復するだけではなく、
「神々の総入れ替え」を意味しています。
ヒルコが求めているのは、神々の力を集めて、これまでの神々の秩序を一新し、新たな神々を創り出すことです。
これは、まさに「修理固成」の概念にぴったりと重なります。
さらに注目すべきは、ヒルコが「人魚の燻製」を集め、永遠の命を求めていた点です。
神々が持っている不老不死の力を手に入れるために、ヒルコは人間の限界を超えようとしているのです。
彼が狙っているのは、単なる神の力ではなく、永遠の命を得ることで新たな神々を作り出し、全てを再編成することではないでしょうか。
雨野は天宇受売命（あめのうずめのみこと）という神の力を持ちながらも、その力を失って人間としての生活を送っています。
雨野の持つ神の力を取り込むことが、ヒルコの計画において非常に重要な位置を占めている可能性があります。
ヒルコと芹田への天罰：猿田彦とのつながり
第7話では、ヒルコが芹田に「天罰が下る」という犯行声明文を送りつけています。
芹田正彦への「天罰」の意図
この「天罰」という言葉は、神が人間に対して下す裁きであり、
神話的な視点から見れば、秩序を乱す存在に対する矯正の行為と捉えられます。
さらに、猿田彦神（さるたひこのかみ）は、雨野こと天宇受売命の夫としても知られ、道開きの神として重要な役割を持ちます。
寿正が「修理固成」を実現するためには、雨野の夫となる芹田を排除しようと計画しているのではないでしょうか。
この視点に立てば、ヒルコが芹田を「天罰」の対象とした理由も見えてきます。
芹田の行動が寿正の計画を脅かすものであるか、あるいは寿正の考える「新しい秩序」に相応しくないと判断された可能性があります。
雨野と修理固成の運命
雨野が持つ「天宇受売命」の力は、単なる神の力ではなく、秩序を司る力として非常に強力です。
もしヒルコが雨野の力を完全に取り込むことができれば、彼の「修理固成」計画は加速するでしょう。
つまり、伊邪那岐命と伊邪那美命のように、ヒルコは雨野とともに新たな世界の創造を計画している。
神話の中でも重要な創造のプロセスです。
雨野はヒルコの目標達成のために不可欠な存在となるのです。
第7話で描かれた「雨野の記憶を取り戻す」過程が、この計画にどのように影響を与えるのでしょうか。
興玉（藤原竜也）が雨野に神としての記憶を思い出させることで、雨野の力が完全に覚醒することを望んでいます。
しかし、この覚醒がヒルコの手に渡ることになれば、彼の計画は加速し、最終的には神々の世界を一新することになります。
そのため、雨野の運命はヒルコの手のひらの上で動いていると言っても過言ではありません。
彼女の力が完全に戻れば、ヒルコの「修理固成」計画は成功するでしょう。
しかし、それが果たして雨野の意思に反して進むのか、
それとも彼女自身がヒルコの計画を阻止するために立ち上がるのか、今後の展開がますます注目されます。
神の総入れ替えとヒルコの壮大な野望
ヒルコが目指している「神の総入れ替え」は、まさに彼の壮大な野望を表しています。
これまで神々が支配してきた世界に秩序をもたらすだけでなく、神々そのものを再構築しようとしているのです。
この計画の目的は、単なる権力を握ることではありません。
ヒルコは、世界のすべての秩序を自分の手の中に取り込むことを目指しているように見えます。
もしヒルコが成功すれば、彼は神々を操ることができ、世界を完全に支配する立場に立つことができるでしょう。
結論
「修理固成」とは、単なる土地を整える行為ではなく、秩序を取り戻し、世界を再構築するための神々の行動であり、ヒルコの目指す壮大な計画の一環かもしれません。
雨野の運命が彼の計画にどのように絡んでいくのか、そして雨野がどのようにしてヒルコの野望を阻止するのか、今後の展開がますます気になります。
ヒルコが何を目的として「修理固成」を行おうとしているのか、それがどれほど危険な計画であるのかを理解することで、ドラマの深層に迫ることができるでしょう。
雨野がどのようにその運命に立ち向かっていくのか、今後のストーリーに注目です！
これまで登場したUMAや妖怪や神などこちらにまとめています↓
