無能の鷹 第3話では、鷹野の周りで繰り広げられる人間関係がさらに複雑化していきます。
特に、営業部の鵜飼（さとうほなみ）と開発部の鵙尾（土居志央梨）の間で生じた確執に焦点が当たり、二人の過去と現在の関係が明らかにされます。
学生時代からの友人同士であった二人がなぜ今のように仲が悪くなってしまったのか。
友情や出世に対する価値観の違いを通して、現代の働き方に対する一つの視点が示されるエピソードとなっています。
第３話ネタバレ
通勤途中、鷹野ツメ子（菜々緒）はビジネスマンとぶつかり、コーヒーを浴びるハプニングに見舞われますが、特に気にする様子もなく、同期の鶸田道人（塩野瑛久）と共に会社へ向かいました。
会社に到着すると、教育係の鳩山（井浦新）がシミ抜きを買って出ますが、鷹野は同じスーツを何着も用意しているため、あっけらかんとしています。
この様子に、鳩山や鶸田をはじめとする同僚たちは驚きつつも、鷹野の独特な働き方を少し理解し始めます。
その後、鷹野は業務の準備をするものの、PCがネット接続できない状態で手をこまねき、再び鳩山に助けを求めることに。
これをきっかけに、”社内CIA”とまで呼ばれる鵜飼（さとうほなみ）は
「鷹野が無能を装っているのではないか」
と疑問を抱き、鷹野の実力を見極めるため、営業同行を提案。
渋々ながらも鶸田も巻き込まれて三人での営業活動が始まります。
一方、鵜飼と学生時代からの旧友である開発部の鵙尾（土居志央梨）との関係も描かれます。
かつては仲の良かった二人ですが、今ではぎくしゃくとした関係に。
二人が同じ会社に入った背景には互いの仕事への熱意や期待がありましたが、年月と共にその思いはすれ違っていきます。
そんな中、アパレル企業の服井繁（本多力）社長のもとにプレゼンを行う機会が訪れ、鵜飼・鷹野・鶸田で臨むことに。
ところが服井社長から「もっと自由に」との注文を受け、鷹野が着けていたネックスピーカーの音楽に触発された鵜飼は、突然ラップで応戦。
社長が自分自身の「自由さ」に囚われていたことを理解し、涙ながらに契約を結ぶ展開となりました。
感想
第3話は、友情や職場での役割について深く掘り下げたエピソードでした。
鵜飼はかつての友人鵙尾との関係を顧みながら、いつしか自分が出世や仕事に対して抱いていた理想が、周囲との軋轢を生む原因になっていることに気づき始めます。
友情を長く続けるためには、変化し続ける価値観や生活環境に応じていくことも必要で、それが欠けると距離ができてしまうことを二人の関係が象徴しています。
また、アパレル企業の服井社長の「自由」に対する姿勢も、実際には自分を縛っていることに気づかないでいた点が面白く、鵜飼が「自由を押し付けていたこと」をラップで表現するシーンには思わずクスリとさせられました。
鵜飼自身もまた、変わりたいと願う自分の考えを周囲に無意識に押し付けていたのかもしれません。
これを通じて彼女が少しでも自己と向き合い、周囲との関係性を築くきっかけとなることを期待させるエピソードです。
まとめ
「無能の鷹」第3話では、鷹野の自由奔放なキャラクターが職場に新たな視点をもたらすと同時に、鵜飼と鵙尾の過去が掘り下げられ、仕事への価値観や友情がテーマとして浮かび上がりました。
他人の価値観を押し付けず、自分も周囲も尊重することの大切さを感じさせる展開でした。
鵜飼と鵙尾の関係が今後どのように進展するのか、次回も目が離せません。
